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EQでのミックスのコツ。目安と帯域別の役割について。

EQの使い方。コツ。
この記事は約8分で読めます。
今回はEQの話。

はじめに。機能確認。

主な機能3点
  • ピーキング(黄)…部分的に処理する。
  • シェルビング(水色)…特定の値から上or下を段差的に処理する。
  • カット(赤)…特定の値から上or下を切る的な。
あと画像で触れてませんが、Q値とGain、周波数箇所を決めるとこもありますね。
  • Hz(周波数箇所)…「何Hzを処理するか」的な。
  • Q値…Hzで決めた値を中心としてどの範囲までに絞るか広げるか。
  • Gain…増減。
忘れてはならない点として、処理によって起きる音量変化をちゃんと調整し直さなくてはならない点。これはEQに限らず。 バイパスしてエフェクターの効果を切り元の音量感と、エフェクター後の音量感がだいたい同じになるようOutput(単にGainになってる場合も)を調節。

ピーキング

Qの数値で すそ部分を広げたり狭めたりできる。 形によって言われ方が変わるとも。 ベルとかピークとかのとこですね。

シェルビング

よく段差を付ける感じと書かれます。後述のカットとは違い、定めた周波数値以降を丸々変化させる感じ。Qを使うとメチャメチャ変わります。 「ゆるく」 「キツめ」

ローカットっぽい目的で使う場合

後述の切り捨てる「カット」よりも、シェルビングでは「弱める」みたいな かかり方。(ゲートとエキスパンダーっぽい関係) カットと合わせれば、カット域周辺を整える処理にも使える。
低域の一か所は残してその下はカット
「上の中低域あたりは少し抑えられてる」みたいな感じ。 「要らない低域はカットしつつも残したい低域もあって、しかし それをピーキングで十分に持ち上げようとすると余計な中低域まで持ち上がってくる…」 そんな場面での対策として使えるかと。

カット

バッサリ切り捨てる感じのやつですね。 Pro EQみたいにカットの角度を変えられるとかもあり。

余分帯域カットの注意点。

設定した周波数値からカクンとカットされるわけではないという点です。 わりと上の方から かかるので、たとえば音の太さに関わる域に触れたりして 意図せず薄くなってしまうケースもあるかと思います。 この場合は主にベルで下がってしまうとこを持ち上げておくと解決です。

使用目安場面

  • Q値の目安とする帯域幅について
  • どの帯域の量を何のパートに対して前後させるか
どこを何の目的で処理するのかを考える目安と言いますか、そんな話。 どの範囲の帯域をどんな理由で増減するのか。 (EQに限らずですが、MIXは適切な編成、編曲があってこそ成り立つもの)

大まかな帯域範囲のツカミ方

Q値の幅の目安として捉えるのに活用できる話かと。 低域、中低域、中域、中高域、高域といった具合に範囲を知れることで、また細分化にも対応でき、処理すべき箇所の特定に使える感じです。

帯域バランスを取るポイント

各パート間の穴を掴み、余分成分を減らし必要分を目立たせるイメージ。 なるべくハッキリと分かりやすく差が付くくらいでないと全然埋もれるので注意。 色の濃度の比率みたく(青紫なのか赤紫なのか的な)各々の前後が出るように。

“EQ=縦の距離を取る音量の細かいver.”という見方

音量は縦の距離(自分という聞き手から見た垂直な距離)取りとも言えますが、それで言うとEQは帯域ごとに それを行うツールと言えるでしょう。 近い距離の音を遠くするための処理として高域や低域を減衰させたり。(遠いほど広く減衰し、近いとハッキリ広く帯域が出る感じ) それこそ他のパートと被ってる箇所を処理するためだったり。

抜けさせるだけが正義ではないということ

時には埋もれさせる効果もまた必要だったり。 目立ちすぎてる強すぎパートがあった場合、そのままでは曲に馴染まないので あえて倍音をのせることで埋もれさせ、馴染みやすくするケースも。 音に甘さ、豊かさを与える倍音のもうひとつの面 的な。

EQ調整の判断基準に「アナライザー」

いわゆる、挿したトラックの周波数の出方が見れるエフェクター。 Studio One 3のPro EQはバックにアナライザーっぽいのが付いてるので 単体で個別には使用してないのですが、とても重要な存在。 ポイントは「対象の音源の帯域特徴を把握できる※」点。(他パートに対して、譲れる帯域上の穴、他パートの穴に入れる箇所、帯域の被り等の判断ができる)
※特徴帯域、特に「中心域(主にそのパートが傾向として強く出してる帯域)」はミックスにおいて他パートの開けた穴に入れるためのピースにあたる帯域。 ここが抜けることによって そのパートが埋もれずに聞こえるようになるという音の不思議。特徴とされる帯域はパート次第で複数ありますが 中心だけでも。

帯域別の役割

各音源の旨み箇所の把握に各帯域ごとの確認が大事なように、 全体を通して見た処理効果というのもまた重要かと。 ここでは ざっと3つの帯域に分けて簡単に。
  • 低域「重たさ、太さを出せる、遠近感など」
  • 中域「厚みが出る、ふくよかな」
  • 高域「きらびやかさ、からっとしてくる、明瞭感など」

低域の扱い

この帯域の担当は この辺り。
  • 太さ
  • 音の圧(音量感、パワー)
  • 重さ(楽器の存在感とも言えそう。薄まると浮遊感が出る。)
そして ここを処理することによって狙える効果は ざっと この通り。
  • 近接感(距離)
  • 上下感

中域の扱い

多くの場合は、あんまり いじれない帯域かもしれません。 ココこそ楽器によるところかと。
  • ふくよかさ
  • 厚み
この2点の出る帯域というイメージ。 主に膨らむ(横に広がるステレオとは別) 感じが強いかなと思います。 他の低、高域より濃くなると 音が曇る印象。

高域の扱い

高域もまた低域同様カット活躍帯域。 不要なノイズにしかならない高域もあるということで。 持ち上げる際は ちょっと軽めに加減してするのが良いかもしれません。 特に生楽器系で やると不自然になりがち。

2種類の高域と その最適化。

  • 超高域「サーッ」って感じの柔らかい
  • 硬い高域(中域より ちょっと上あたり)
前者は明瞭感といいますか、クリアな感じに近づいていくイメージ。加減を間違えるとノイズ化。そのため不要高域分は積極的にカットしたい。 後者は硬く、芯になるところ。低域のくだりで触れたアタック部分みたいな。多すぎるとキンキンしはじめて耳障りになってくる。 処理はカットと不要域を抑える微調整の2つ。

近接感の付け方

思うに「近接感とは圧」だと思います。マイクで たとえると分かりやすいかと。
マイクに近いときの 低域、高域ともに まんべんなく入っており(アナライザーで確認可) 聞こえはクッキリしてて、音量も大きい。
ちょっとだけ離れた場合 アタックが分かる範囲で低域、高域は残ってるが、 音量感は若干 下がる。
遠め 低域、高域が だいぶ減り、音量も だいぶ下がる。 仮に対象の音源が鳴らしてる音の音域の核が中域なら、ほとんど その周辺帯域分しか聞こえない。

カット具合による上下感表現

内容は単純。その楽器にとっての「出てる低い帯域の位置」それによって 聞こえ方の高さという位置が違って聞こえるというもの。 ドラムのキック(低域濃い)とピアノ(中低域辺りからカット)が合わさると、個々の特性上、キックは下に、ピアノは上に聞こえる感じになる的な。 アレンジやミックスの際の判断基準にもなると思います。どこに何が足りてないとか、どれが要らないとか。
カット域の目安的な。アコギでの周波数例。
  • 赤色域…そのパートの持つアタック音にあたる域
  • 青色以降(オレンジ枠辺り)…音程の域
  • 灰色域…アタックの下にあたるここは無くても構わない帯域
赤色域からカットすると音のアタック分が抑えられ “少し” 遠くなります。(※) 灰色分からカットした場合は 楽曲に混ぜる際、余分となる低域がなくなるため、多くの場合 聞こえがスッキリします。(※※) 青色分から先は、主にスッカスカになってしまうのでカットは非推奨。(そこまでする必要があるケースなら そもそものアレンジを見直すのが早いかも)
(※主に遠近感はボリュームあたりで付けられますが、「遠い音を作るための角取り」みたいな感じで処理するイメージかと) (※※「他帯域に対し影響力の強い低域」という一面からも、カットによって乱さなくて済むようになるイメージ。)

EQの種類

ざっと大きく見て2種類ある感じですね。
  • グラフィックイコライザー…大まかな調整用
  • パラメトリックイコライザー…細かい作業用
ボクの印象ですが、こういうイメージです。 ここまでに触れた話を踏まえ、どちらを使うのが最適か都度 選択していきます。

グラフィックイコライザー

(フリーVSTのLuftikus) 設定できる周波数が それぞれ決まってて、かつ、ツマミ(orフェーダー)で調節する仕組みになってるもの。おおまかな特徴づけみたいな使い方かなと。 使用するプラグインによって付加される倍音の違い等があり、それらのクセも含めて使い分けたいところ。

パラメトリックイコライザー

EQの使い方。コツ。 studio one 3でいうPro EQみたいなやつですね。 微調整という勝手が きく。

以上。

帯域別の役割、EQ使用のための目安といった話でした。 音源の旨み箇所把握のコツとしても、全体で見た聞こえ方の効果を狙う場合としても、どの場面においても そのパートの役割の把握がポイントになってくるかと。 音源ごとの特性を活かしつつ、かつ そのポイントを互いに上手く避けあい分離よく それぞれが聴けるようになる状態を目指していきましょう。 それでは!